成年後見と訴訟 【本書の紹介】
著者が成年後見人となって、被後見人のおかれた悲惨な状況を打開するために、関係機関との折衝、犯罪者の告発、年金を取り戻すための民事訴訟を追行し、奪われた年金の大部分を取り戻して、被後見人の平穏な生活を取り戻した実話に基づく物語。最終章には、任意後見についての体験談も掲載してある。
物語の過程で筆者が扱った法定代理人としての法的手続(家事審判、示談交渉、刑事告発、民事訴訟)について、書式や証拠書類も掲載した実務書でもある。訴訟追行のプロセスを具体的に説明しているので簡裁代理権を獲得した司法書士にも参考となろう。
痴呆のある高齢者、知的障害者、精神病者などの人権を尊重し、その人らしい人生を全うさせるために、財産管理や法律行為を支援・代行する成年後見制度の概要を知り、法律専門家である司法書士の役割を理解してもらうために、一般の人(特に学生)に読んでいただきたいと思う。
著者 酒井 寿夫
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